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作詞をするにあたり


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今回の楽曲の初期段階の歌詞を使い、歌詞のリフォーム法を取り上げてみます。
歌を作るには、まず歌詞からです。

下記が初期段階の詞です。
ざっと読んでみてください。一見すると、そんなに変なところは見当たらないと思います。




「ありったけの愛を。」


【サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく 何も言わずに
君を今 抱きしめる

【1-A】
見慣れたはずの景色が 今日は潤って見えたよ
両手に抱えきれないほどの 花を持った僕が立っている

ゆっくり扉を開く まぶしい朝日の下で
優しい言葉だけじゃ伝わらない想いがあるから

【1-サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな想いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく その手引き寄せた
君を今 抱きしめる

【2-A】
僕がもっと器用だったなら 君の優しさが見えずに
きっと乾いて静かに すれ違って 消えてしまっていた

傷つけあったお互いの 過ちを許しあえた
それはとても温かい神様がくれた本当の愛だから

【2-サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ 光の中で
強く踏み込んでゆく 何も言わずに
君を今 抱きしめる

【2-サビ2】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ いつまでも
虹の彼方見つめ 強く決めたんだ
君を今 抱きしめる

君を今 抱きしめる



素直で温かな雰囲気がする歌詞ですね。
個人的には、このような純情一直線!のような曲はかなり好きです。
シンプルで分かりやすい詞には好感が持てます。

ただ、この詞にはリフォームできる部分が多く見つかりました。
あなたなら、どこをリフォームしますか?


さて、楽曲制作には、以下の3つのパターンがあります。


1、詞を先に書き、曲を後でつけるパターン(業界では"詞先"と呼ばれる)
2、曲を先に書き、詞を後で書くパターン(業界では"曲先"と呼ばれる)
3、歌詞も曲も同時に思い浮かぶパターン(特殊です)


3は特殊な例なのですが、これらすべてに言えるのは、曲も詞も、制作第一段階での完成」はありえないということです。

歌は生き物です。変化していくものです。

良いメロディなのに、歌詞がつけにくいという状況も出てくるでしょう。
良い歌詞なのに、メロディーがつけにくいという状況も出てくるでしょう。

そういうとき、「第一段階」の状態に固執する必要はないのです。
詞も曲も変化させていけば良いのです。

プロは、スケジュールの関係上、そういったことを自由にできない場合が多いですが
(※プロの場合、できあがった詞が、その時点でかなりのレベルに達しているので、そのまま納品となることが多い)、アマチュアの世界では、十分可能なことです。
アマチュアの方の最大のメリットは、楽曲制作に好きなだけ時間をかけれることですから。


ただ、残念ながら、アマチュアの方の作品には、詞にメロディを無理矢理つけたような作品が多いことが実情です。
そういう曲を聴くと「もったいない」と感じるのです。

作詞家&作曲家、お互いに高め合う作品づくりこそが、名曲を生み出す第一歩だと思います。









作詞の最重要ポイント


おおっ、ちょっと脱線してしまいました。

さて、とりあえず作詞に関してのノウハウを少々。


1,詞はできるだけシンプルにすること!

アマチュアの方の詞は、余分な言葉が多く、詞のリズムを壊していることが多いのが現状です。

詞のリズムが悪いと、曲もつけにくくなります。

作曲家の立場からすると、文字数が多い場合、その文字数に合うように「音の詰め込み」をしなくてはなりません。
それが良い効果を生み出すときもありますが、音符が増えるということは、それだけ覚えやすいメロディーラインを作らなければならないということになります(^^;)


私はできるだけ、最大限「文字数を減らす」ことをお勧めします。


同じ表現でも、もっとシンプルな言葉で表現できないか、一歩下がって、もう一度考えてみるのです。

(減らし過ぎてもダメですので、その辺りは臨機応変に)


2、表現者(歌い手)の気持ちになること!

「Ahhh」という音をのばすとき、ビブラートを心地よくかけることができます。
ですが、同じ音の長さで「A I U E O」というラインになったとき、今度はビブラートがかけにくくなりました。
当たり前のことですが、何が言いたかったというと、このように、「音の譜割が細かくなることで、同時に表現の自由さも制限されていく」ということです。

また言葉によっては、発音しにくい言葉もあります。

むやみやたらに英語を用いることもあまりお勧めできません(歌い手が英語ペラペラなら大丈夫ですが)。
感情移入して歌えるように、歌い手さんなど表現者の気持ちを考えることは、とても重要です。


歌い手さんの声が一番活きる言葉、それを見極めるためにも、作詞の前に、一度歌い手さんの声を聞いておきたいところです。

ところで、ア列の言葉から始まる歌(カやサなど)は、口を大きく開けますので、明るいイメージを持つことが出来ます。
そのように、出だしの言葉で曲のイメージが決まってしまうこともあります。

そういう意味では、この「ありったけの愛を。」の歌詞はうまく出来ているな、と感心しました。これは「明るい恋の歌」ですものね。


作詞に関する本は、色々出ていますので、読んでみても良いかもしれません。
右のバナーから行けるAmazonのサイトにも、多くの作詞本が出ていますので、一度チェックしてみてください。


では、上記のことを踏まえ、もう一度「ありったけの愛。」の詞を見直してみましょう。
これからMOKIが修正していく箇所を、他の色でマーカーをつけてみました。




「ありったけの愛を。」


【サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく 何も言わずに
君を今 抱きしめる

【1-A】
見慣れたはずの景色が 今日は潤って見えたよ
両手に抱えきれないほどの 花を持った僕が立っている

ゆっくり扉を開く まぶしい朝日の下で
優しい言葉だけじゃ伝わらない想いがあるから

【1-サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく その手引き寄せた
君を今 抱きしめる

【2-A】
僕がもっと器用だったなら 君の優しさが見えずに
きっと乾いて静かに すれ違って 消えてしまっていた

傷つけあったお互いの 過ちを許しあえた
それはとても温かい神様がくれた本当の愛だから

【2-サビ1】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ 光の中で
強く踏み込んでゆく 何も言わずに
君を今 抱きしめる

【2-サビ2】
ありったけの愛と がむしゃらな思いを
君に今、送るんだ いつまでも
虹の彼方見つめ 強く決めたんだ
君を今 抱きしめる

君を今 抱きしめる



詞をリフォームするにあたり、少しご注意を。
詞を勝手にいじられると機嫌が悪くなる作詞家もいます(^^;)。その場合は話し合いの場を持つなどして、臨機応変に対応して下さい。
ただ、本当に優れた作詞家は、詞をいただいた時点で「いじりようがない」ですが。



それでは、順にリフォームしていってみましょう。


1、「適切な漢字」に直す!

まるで国語の時間みたいですが、良い詞を書くことは「できるだけ美しい日本語」を使うことから始まります。
日本語の美しさは「漢字」にある、と言っても過言ではありません。
下記が直した箇所です。

がむしゃらな思いを → がむしゃらな想いを

サビに何回も出てくるこのフレーズ、このフレーズの「思い」という言葉を「想い」にしました。
この曲は恋愛の歌ですから、この場合「思い」は「想い」にした方が、日本語的に正しいですね。


2、できるだけシンプルな言葉回しに直す!

先に書いたとおり、できるだけ余分な言葉は省きましょう。
日本語が少しおかしくても、話し言葉として通用するならOKです。
たとえば「食べている」→「食べてる」のように。

下記のフレーズを直しました。

今日は潤って見えたよ → 今日は潤って見えて
両手に抱えきれないほどの → 両手に抱えきれないほど
花を持った僕が立っている → 花を持った僕が立ってる
君の優しさが見えずに → 君の優しさ見えずに
消えてしまっていた → 消えてしまってた


3、美しい&インパクトのあるフレーズに変える!

その人の感性がもっとも必要とされるリフォームです。
特定のフレーズを、よりインパクトのあるフレーズに直します。
前後の流れを読み取り、最も適した言葉を見つけ出すので、ちょっと難しいかもしれません。
たとえば「黙り込む」→「沈黙の」のように、ちょっとカッコイイ言葉に直していくのです。

その人が持っているボキャブラリーの豊富さが重要になってきますので、本を読まない人は苦戦するかもしれません。
本を多く読む人は、自分でも気づかないうちに、素敵な言葉を自然に覚えているものです。
本を読まない人は、本を読む習慣をつけてみましょう。


私は下記のフレーズを直しました。

きっと乾いて 静かに → きっと乾いて はかなく
強く踏み込んでゆく 何も言わずに → 強く踏み込んでゆく 言葉を超えて


こうして完成した詞は、以下のとおりです。
この次は、この詞にメロディをつけていきます。





「ありったけの愛を。」


【サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな想いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく 言葉を越えて
君を今 抱きしめる

【1-A】
見慣れたはずの景色が 今日は潤って見えて
両手に抱えきれない 花を持った僕が立ってる

ゆっくり扉を開く まぶしい朝日の下
優しい言葉だけじゃ伝わらない想いがあるから

【1-サビ】
ありったけの愛と がむしゃらな想いを
君に今、送るんだ いつまでも
強く踏み込んでゆく その手引き寄せた
君を今 抱きしめる

【2-A】
僕がもっと器用だったなら 君の優しさ見えずに
きっと乾いてはかなく すれ違って 消えてしまってた

傷つけあったお互いの 過ちを許しあえた
それはとても温かい神様がくれた本当の愛だから

【2-サビ1】
ありったけの愛と がむしゃらな想いを
君に今、送るんだ 光の中で
強く踏み込んでゆく 言葉を越えて
君を今 抱きしめる

【2-サビ2】
ありったけの愛と がむしゃらな想いを
君に今、送るんだ いつまでも
虹の彼方見つめ 強く決めたんだ
君を今 抱きしめる

君を今 抱きしめる

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